本書を読めば、ホンモノの思考法とは何かが分かります。
平易な文章で書かれており、非常に読みやすい本です。
本書は1983年に刊行、1986年に文庫化した学術エッセイです。
自分の頭で考え、アイディアを軽やかに離陸させ、思考をのびのびと飛行させる方法とは何か
古い本ですが、今も根強い支持を得ている「思考法」入門書です。
僕も大学4年か社会人1年目くらいの時に初めて読んでから、定期的に読み返しますが、毎回新たな気づきがあります。
本質的なものは年月を経ても色褪せないものだと実感します。
まさに時代を超えた不朽のバイブル!
思考の整理学
著者:外山 滋比古
出版社:筑摩書房
ページ数:232
発売日:1986/4/24
- 2022年 全国の大学生に1番読まれた本! 2022年1月~12月文庫ランキング(全国大学生協連調べ)
- 歴代の東大生・京大生が根強く支持する異例のベスト&ロングセラー
- 刊行から37年で128刷・270万部突破
著者について
1分要約
5分解説
①グライダー能力ではなく飛行機能力
知識を詰め込むだけでは自ら発見・発想できるホントウの思考力は身につきません。
単なる知識の詰め込みは、自力で飛ぶことができないグライダー能力です。
そして、学校教育はまさにグライダー人間の養成所であり、学校の成績が優秀で周りから知的知的ともてはやされ、自分が”翔んでいるように錯覚”しているだけです。
目指すべきは、自ら発見・発想できる飛行機能力です。
著者は、植物を例に分かりやすく例えてくれます。
花という結果のみに目を奪われず、根幹に目を向けましょう。
自分で翔べない人間はコンピュータに仕事を奪われる。
本書より
②麦+酵素+寝かせる=ビール
思考とはどうやって生み出されるものなのか。
ビール醸造を例に分かりやすく説明してくれます。
素材(麦)に異質な物(酵素)を組み合わせて、時間をおく(寝かせる)ことで、発想(ビール)が生まれる
ジェームス・W・ヤング著の「アイデアのつくり方」において、アイデアを作るうえでの原理原則として以下のことが論じられています。
アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない
まさに素材と酵素の組み合わせです。
異質なもの同士がくっつくことで化学反応を起こすことこそが、思考でありアイデアなのです。
こちらの本も不朽の名著ですので、一読の価値が十分あります!
思考の整理とはなんなのか。
整理と聞くと取捨選択をイメージしがちですが、思考の整理とは単なる取捨選択ではないと著者は言います。
思考や知識の整理というと、重要なものを残し、そうでないものを、廃棄する量的処理のことを想像しがちである。 ー中略ー 本当の整理はそういうものではない。第一次的思考をより高い抽象性へ高める質的変化である。 ー中略ー 量は質の肩代わりをすることは困難である。
本書より
思考の整理とは、低次の思考を、抽象のハシゴを登って、メタ化していくこと
抽象化、メタ化には、寝かせて発酵させる必要があります。
本書では、抽象のハシゴを登っていくの行為は哲学化である、と言っています。
哲学って大事ですよね。
③”寝かせる”ほど大切なことはない
思考を発酵させるには時間を置く、つまり寝かせることが必須です。
著者は本書の中で、繰り返し”寝かせること”の重要性を解きます。
では”寝かせる”にはどうすれば良いか。簡単です。
忘れることです。
忘却とはつまり、無意識の力に頼ることです。
人間は意志の力だけで全てをなしとげるのは難しい。無意識の作用に負う部分がときにはきわめて重要である。
本書より
無意識の力は偉大です。
無意識の力によってどのようなときに良い考え方が浮かぶのかを端的に表す言葉に『三上』『三中』というものがあります。
最後に、本書の中で何度も出てくる諺を紹介します。
見つめる鍋は煮えない
④メタノート
思考を熟成させるには、忘れる必要がありますが完全に忘れてもダメです。
どうすれば良いのか、著者はシンプルに解決法を提示してくれます。
ノートに記録せよ。
ノートに記録し、熟成しそうなものを別のノート(メタノート)に移してさらに熟成させる方法です。
情報のメタ化で「メタノート」です。
全てノートに記録し、ノートの中で思考を熟成させる。
まさに、『我が思考、すべて、この中にあり』です!
『三多』という言葉もあります。
文章上達の秘訣三か条です。
お気に入りフレーズ
僕が気に入ったフレーズを紹介します。
“忙”の字は、心を亡くしていると書く。忙しいと頭が働かなくなってしまう。頭を忙しくしてはいけない。がらくたのいっぱいの倉庫は困る。
頭のゴミを整理しなければいけません。
「知識それ自体が力である」(ベーコン)と言うけれど、ただ知識があるだけでは、すくなくとも、現代においては力にはなり得ない。知識自体ではなく、組織された知識でないとものを生み出す働きをもたない。
知識は大事です。
でも量を求めても意味はありません。
どんなに頑張っても、知識量でパソコンに勝てることは無理です。
どうも朝の頭の方が、夜の頭よりも、優秀であるらしい。
夜寝る前にあまり深刻なことを考えるのは良くないですね。
頭も働かないし、寝つきを妨げるだけです。
書くことは考えることである
あとがき
僕もよく、書くことで頭の中を整理しています。
さいごに
外山滋比古著の『思考の整理学』を紹介しました。
学生に一番読まれている本ではありますが、思考法の入門書であり不朽の名作である本書は、ビジネスマンも必読の書です。
気になった人はぜひ読んでみてください!
思考の整理学
著者:外山 滋比古
出版社:筑摩書房
ページ数:232
発売日:1986/4/24
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最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。ではまた。
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