平日は朝から晩まで仕事をして、休日は“平日は何もしていないんだから”という妻からの白い視線を受けながら朝から晩まで家族サービス…気がつけばまた月曜日…
サラリィマンの皆さん、本当に毎日お疲れ様です!(僕もお疲れ様です)
夫として、父親としての役目を果たすことはもちろん大切ですが、頑張りすぎると心に疲れが溜まってしまうものです。
サラリィマンだって一人の人間だもの。
たまには自分の時間も欲しいです。
サラリィマンだって休みたい!!!!
と、声を大にして叫びたい時ってありますよね。(僕は毎日思っています)
そんな時は読書をして心の休養をとることがおすすめです。
読書は力。読書は自己投資。
僕は主に“平日仕事の昼休憩”と“寝る前”は必ず読書時間と決めて、毎日少しでも読書をしています。
そんな僕が仕事や家事で疲れた時に読みたくなる本を厳選して3冊紹介します。
どの本も心にそっと寄り添って心を充電してくれるありがたい本です!
僕がサラリィマンを続けられるのもこの3冊のおかげと言っても過言ではありません。
神様のカルテ/夏川草介
1冊目は夏川草介さんの『神様のカルテ』です。
- 日本中の書店員が感涙し、発売1年足らずで映画化が決まった大ヒット小説
- 第十回小学館文庫小説賞受賞作
- 2010年本屋大賞第2位
著者の夏川草介さんは現在も医師として働きながら執筆しており、本書は長野の地方病院が舞台です。
医療ノンフィクションでは、なんでも治せる“神の手”を持つスーパーな医者が出てきますが(『医龍』みたいに)、本書の主人公・栗原一止は知識もスキルもいたって普通の医者で、普通のサラリィマンと同じように毎日に悩みながら医師として働いています。
直属の上司である内科部長や患者に振り回される栗原一止の姿は、上司や顧客に振り回されて日々苦しんでいるサラリィマンの僕の姿も重なってとても共感してしまいます。
夏川草介さん自身が医者だからこそ、“医師も一人の人間”という当たり前のことを伝えたいのが根底にあるのかなと思います。
『神様のカルテ』は映画化もされ(主演:櫻井翔・宮崎あおい)大ヒットになりました。
素晴らしい映画で、原作を知っていても純粋に楽しめますし何度見ても泣けます。(僕はBlu-rayを持っています)
キャッチコピィは「心は、きっと救える」
“神の手”を持つ医者は出てきませんので、治せない患者は治せません。そこがリアルなんです。
病気は治せなくても、患者の心は救える。
苦悩しながら患者の心に寄り添う栗原一止の優しい姿に、読んでいる僕の心も救われます。
一言で言えば、心地よいストーリィです。
長い人生だ。いずれまた道を見失い戸惑う時も来るであろう。右往左往して駆け回り、瑣事にとらわれて懊悩することもあるであろう。そんな時こそ、私は声を張り上げて叫ぶのである。
『神様のカルテ』第三話 月下の雪
立ち止まり胸を張って槌を振り上げよ!
足元の土に無心に鑿をくわえよ!
慌てずともよい。
答えはいつもそこにある。
一に止まると書いて“正しい”と読むではないか。
舞台である長野県松本の景色が目に見えるかのような綺麗な描写も大好きです。
心に静かな時間が流れます。
栗原一止は夏目漱石が大好きで愛読書は「草枕」(全文暗誦できるほど!)なのですが、その影響を受けて僕も買って読んじゃいました。笑
山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。
夏目漱石『草枕』
この病院では、奇蹟が起きる。
栗原一止(いちと)は信州にある「24時間、365日対応」の病院で働く、29歳の内科医である。ここでは常に医師が不足している。専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を3日取れないことも日常茶飯事だ。妻・ハルに献身的に支えられ、経験豊富な看護師と、変わり者だが優秀な外科医の友人と助け合いながら、日々の診療をなんとかこなしている。
そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。悩む一止の背中を押してくれたのは、死を目前に控えた高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。
『神様のカルテ』シリーズは5冊出ています。
神様のカルテ
神様のカルテ2
神様のカルテ3
神様のカルテ0
新章 神様のカルテ
シリーズを通して日本酒を美味しそうに飲む場面も結構出てくるので、日本酒も飲みたくなります。
喜嶋先生の静かな世界/森博嗣
2冊目は森博嗣さんの自伝的小説『喜嶋先生の静かな世界』です。
森博嗣さんは、大学助教授でありながらバイト感覚で執筆したミステリィ小説『すべてがFになる』がメフィスト賞を受賞し華々しく小説家デビューしました。
「理系ミステリィ」という新たな分野を確立しました。
何を隠そう、僕は森博嗣さんの大ファン歴10年以上です!
本書『喜嶋先生の静かな世界』はミステリィではなく、大学を舞台に学問すること、学問することの深淵さと研究することの純粋さがテーマの森博嗣さんの自伝的小説です。
サラリィマンになって家庭を持つと、仕事と家事で日々忙殺され、寝食を忘れて自分の好きなことに没頭する時間なんて全くありません。(まさに僕がそう!)
本書に出てくる主人公の学生・橋場と研究室の助手・喜嶋先生の二人が研究にのめり込む姿は、外界の喧騒とは切り離された静かな世界に生きているが如く、二人の生き方がすごく羨ましい気持ちになります。
もちろん研究は決して楽なものではありません。
よく「フリダシに戻る」という表現がるけれど、研究では、フリダシに戻るなんて感覚はまったくの日常茶飯事だ。普通の双六なら、フリダシがあればアガリが必ずあるが、そんな保証も研究にはない。双六のように道筋は示されていないから、戻ったとも言えない、いつも、常にフリダシかもしれない。
第2章
目標に向かって頑張っている人を見ると何故か自分も勇気がもらえる、という経験は誰しもあるのではないかと思います。
努力している人を見て自分も頑張ろう!という気持ちになりますよね。
僕は特にその傾向が強いです。
本書を読むと、自分の好きなことに夢中になることの素晴らしさを思い出させてくれるとともに、自分も頑張ろう!とそっと背中を押してもらえること間違いなしです。
「気持ちが疲れているとき、人生に迷っているとき、心を整えてくれる小説。これまでもこれからも何度も読み返す本です」(本の帯紹介)
感動に包まれる自伝的小説。
文字を読むことが不得意で、勉強が大嫌いだった僕。大学4年のとき卒論のために配属された喜嶋研究室での出会いが、僕のその後の人生を大きく変えていく。寝食を忘れるほど没頭した研究、初めての恋、珠玉の喜嶋語録の数々。学問の深遠さと研究の純粋さを描いて、読む者に深く静かな感動を呼ぶ自伝的小説。
講談社BOOK倶楽部(森博嗣ONLINE)より
本書は、短編集『まどろも消去』の中のストーリィ「キシマ先生の静かな生活」のリメイクです。
運転者 未来を変える過去からの使者/喜多川泰
3冊目は喜多川泰さんの『運転者 未来を変える過去からの使者』です。
この本マジでおすすめです。
「自分ってツいてないな〜」「運悪いな〜」と思う時、この本で教えてもらったことを思い出すようにしています。
とにかく上機嫌でいること
基本姿勢が不機嫌な人に、毎日の人生で起こる幸せの種を見つけることなんてできない、ただそれだけです。
『運転者 未来を変える過去からの使者』
「幸福だから笑うのではない、笑うから幸福なのだ」で有名な三大幸福論の1人アランを彷彿とさせますね。大好きな考え方です。
仕事と育児に追われる毎日だと常に上機嫌でいることは難しいですが、できる範囲内で、辛い時こそ、「笑顔で前向きに!」を心がけています。
運はポイントカード
運は「良いもの」「悪いもの」、そして「僕は運が悪い方の人間」であるとずっと思ってきました。
だから本書でこの考え方を知った時はぶったまげました。
本当は〈運〉にいいも悪いもないんですよ。だから、運がいい人なんていないし、運が悪い人なんていない。運はそういうものじゃないんですよ。ーーー中略ーーー運は後払いです。何もしてないのにいいことが起こったりしないんです。ポイント貯めてないのに何かもらえますか? 誰もそんなこと、期待しないでしょ。でも、運となると、貯めてない人ほど期待するんですよね。ーーー中略ーーー運は〈いい〉か〈悪い〉で表現するものじゃないんですよ。〈使う〉〈貯める〉で表現するものなんです。だから先に〈貯める〉があって、ある程度貯まったら〈使う〉ができる。少し貯めてはすぐ使う人もいれば、大きく貯めてから大きく使う人もいる。そのあたりは人によって違いますけどね。どちらにしても周囲から〈運がいい〉と思われている人は、貯まったから使っただけです
『運転者 未来を変える過去からの使者』
天動説を信じていたのに実は地動説だった、まさにコペルニクス的大回転、驚天動地の出来事でした。
運に対する考え方が180度変わりました。
「運はポイントカード」という考え方は当然科学的な根拠なんてありませんよ。
でも、辛い時は運を貯めている、そう信じるだけでも心がだいぶ軽くなる気がします。
報われない努力なんてない!累計100万部突破、喜多川泰渾身の感動作!
中年にして歩合制の保険営業に転職し、二年目の修一。
しかし、なかなか思うように成果が上がらない日々を過ごしていた。
ある日、唐突な担当顧客の大量解約を受け、いよいよ金銭的にも精神的にも窮地に追いやられてしまう。
妻が楽しみにしていた海外旅行計画はキャンセルするしかない。 娘は不登校に陥っているうえに、今後の学費の工面も難しくなるだろう。さらに長い間帰れていない実家で一人暮らしをしている、母からの電話が心にのしかかる。
「……なんで俺ばっかりこんな目に合うんだよ」
思わず独り言を言ったそのとき、ふと目の前に、タクシーが近づいてくるのに修一は気がつく。
それは乗客の「運」を「転」ずるという摩訶不思議なタクシーでーー?
さいごに
小説ではないですが、ちょっと心が疲れを感じた時にすぐに手に取れるように、本棚にしまわずに身近な場所に置いておく本があります。
マルクス・アウレリス『自省録』
ローマの大繁栄を築いた五賢帝時代最後の皇帝マルクス・アウレリウス。
彼は本当は哲学者として静かに生きたがったが運命がそれを許しませんでした。
本当にやりたかったことがやれず、皇帝として日々戦いに明け暮れなければならなかった彼が、毎晩書き続けたノートが『自省録』です。
哲人皇帝と言われるマルクス・アウレリウスは、どのようなことに苦悩し、何を考え、どう生き抜いたのか。
自分のやりたいことができているとは決して言えない僕たちサラリィマンと境遇は似ています。(任された責任の重みはぜんぜん違うかもしれませんが)
彼が残した言葉は、僕たち悩めるサラリィマンの生き抜く道しるべとなること間違いなしです。
悩んだ時に真っ先に手を伸ばしたいサラリィマン救済の書です!
最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。ではまた。
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