どうも、もりひろです。
『嫌われる勇気』
誰もが一度は書店で見かけたことがあるのではないでしょうか。
10年連続で年間ランキングTOP10入りという異例の爆売れ本です(2024年現在)。
僕も書店で平積みにされているのを幾度となく見てきましてが、特段理由もなく、なんとなく敬遠してきました。
今回読んでみたキッカケも特段ないのですが、本屋でたまたま手にとってみたら、岸見一郎さんが著者の一人であることを知って興味がわいたので読んでみました。
僕は『自省録』が大好きなのですが、NHK「100分de名著」ブックスの『マルクス・アウレリウス 自省録』の解説もお気に入りで、この著者が岸見一郎さんです。
本書を読んでみた感想は、「もっと早く読んでおけば良かった!!」(月並みの感想ですみません)
本書を読んだ時点で、2人の娘(長女5歳、次女3歳)を子育て中なのですが、子育てが始まる前に読んでおきたかったと思いました。
こういう人こそ読んでほしい!
子育て中のパパママこそ読むべし
本書には、子育て目線でハッとさせられるような、非常にタメになる考え方が散りばめられています。
なんでだろう?と不思議に思ったのですが、著者の一人である岸見一郎さん自身が、子育てで苦労していた時に初めてアドラー心理学と出会い、アドラー心理学流の子育てを実践してきたというのです。
いやいや、そんなこと実践出来る人いる??という疑問は尤もです。
でも、何故アドラーが叱ることも褒めることもダメだと言っているのか、本書を読むとその理由に納得してしまいます。
『嫌われる勇気』の続編『幸せになる勇気』で「叱らない・褒めない」ことが深掘りされていますので、子育て世代は特に『幸せになる勇気』も一緒に読んで欲しいです。
「叱らない、褒めない」の真髄は、『幸せになる勇気』のレビューに譲ります。
アドラーの時代、彼ほど教育に力を入れた心理学者はいませんでした。アドラーにとっての教育は、中心課題の一つであるばかりか、最大の希望だったのです。
『幸せになる勇気』
人間関係に悩んでいる人こそ読むべし
『嫌われる勇気』が大ベストセラーとなっているのは、本書が、万人共通の悩みである人間関係の悩みに対して、まっすぐな解決策を提示してくれるからだと思います。
アドラー心理学の根本思想は『全ての悩みは対人関係の悩み』ということです。
決して目新しい主張ではないと思います。
他人の評価ばかりを気にし、他人の顔色を伺って生きることは自由ではないですよね。
まさに奴隷のようなものです。
そんなくだらない承認欲求はゴミ箱に捨てろ、ということです。
僕が尊敬するスティーブ・ジョブズも「他人の人生を生きて無駄にするな」というメッセージを残しています。
正直、他人に迎合する方がラクですよね。
みんなに合わせていた方が安心です。
その気持ち、僕も非常にわかります。
でも、アドラーはそんな言い訳を許してくれません。
長文ですが、本書から引用します。
他者から嫌われたくないと思うこと。これは人間にとって、きわめて自然な欲望であり、衝動です。近代哲学の巨人、カントはそうした欲望のことを「傾向性」 と呼びました。 ー中略ー 本能的な欲望、衝動的な欲望ということです。では、そうした傾向性のおもむくまま、すなわち欲望や衝動のおもむくまま生きること、坂道を転がる石のように生きることが「自由」なのかというと、それは違います。そんな生き方は欲望や衝動の奴隷でしかない。ほんとうの自由とは、転がる自分を下から押し上げていくような態度なのです。 青年下から押し上げていく? 哲人石ころは無力です。いったん坂道を転がりはじめたら、重力や慣性 といった自然法則が許すところまで、転がり続けます。しかし、われわれは石ころではありません。傾向性に抗うことができる存在なのです。転がる自分を停止させ、坂道を登っていくことができるのです。 おそらく、承認欲求は自然な欲望でしょう。では、他者からの承認を受けるために坂道を転がり続けるのか? 転がる石のように自らを摩耗させ、かたちなきところまで丸みを帯びていくのか? そこでできあがった球体は「ほんとうのわ たし」だといえるのか? そんなはずはありません。
『嫌われる勇気』
本書を読んでいると、「たった一度の人生を他人のために生きて満足か?本当にそれで後悔しないのか?」ということを自問させられます。
あなたはただの石ころですか?
哲学に興味がある人こそ読むべし
アドラーは、ユングとフロイトに並ぶ心理学の三大巨頭です。
著者である岸見一郎さんは、ギリシャ哲学にも精通されておりますが、アドラー心理学に関して、ギリシア哲学と地続きにある思想とおっしゃっています。
アドラー心理学の根本思想に「課題の分離」というものがあります。
例えば、人から認められたいという承認欲求は誰しも持っているものですが、あなたを認めるかどうかは他人が決めることであり、それはつまり、自分の課題ではなく他人の課題です。
自分ではどうしようもないことを気にしても、幸せが遠のくだけだよ、という考え方ですね。
これは、奴隷の哲学者でありストア派を代表する哲学者エピクテトスに通ずる考え方です。
エピクテトスは、「自由になる唯一の方法は、”我々次第でないもの”を軽く見ること」だと言っています。
”我々次第でないもの”=他人の課題。
僕の大好きな『自省録』を書いたマルクス・アウレリウスもストア派の哲学者です。
哲学って本当に楽しいですよ。
哲学は幸福になる方法を追求する学問ですから。
僕は、結婚してから哲学の面白さに気づきましたが、哲学といえばこの人ソクラテス(無知の知で有名ですね)に次のような名言があります。
結婚したまえ。良妻を得れば幸福になれるし、悪妻を得れば哲学者になれる。
ソクラテスは生涯、妻のクサンティッペに頭が上がらなかったそうです(『史上最強の哲学入門(飲茶著)』より)。
・・・急に親近感が湧きませんか?笑
本書の魅力
本書は、哲人と青年の対話形式なのですが、この二人のやりとりが魅力だと感じます。
対話形式は”わかりやすさ”が増しますので、入門書には対話形式が採用されがちですが、一般的な対話形式の本だと、やりとりが単調で、伝えたい結論に向かって不自然なくらいスムーズに会話が進みませんか?
ちょっと考えると不思議に思うことがあっても、そのような疑問は置いてけぼりで、どんどんストーリーが進んじゃう感じです。教えられる側の登場人物が物分り良すぎちゃうんです。(入門書なのでやむなしですが。)
ところが本書に出てくる青年は、物分かりが悪い(?)のか、哲人が曖昧なことを言えば、どんどん突っ込んでくれます。
例えば・・・
「ありえません!そんな議論はオカルトです!」「いやいや、まったく筋の通らない話じゃありませんか」「先生、あれから頭を冷やしていろいろ考えたのですがね、やっぱり私は先生のご持論に同意することはできませんよ。」etc
このようにツッコミが激しいので、読者の疑問をそのままにしません。
むしろ途中からだんだん、この青年、物分り悪すぎじゃねと思えてきますし、青年のツッコミが面白くて癖になってきます。(笑)
例えば・・・
「先生、あなたはわたしをペテンにかけようとしている!」「ええい、このサディストめ!!あなたは悪魔のような御方だ!」「ええい、くだらない!なんて馬鹿馬鹿しい考えだ!」etc
もはや悪口。面白すぎ。笑
さいごに
本書の中で次のような記載がありました。
①世界的ベストセラーの『人を動かす』や『道は開ける』で知られるデール・カーネギーも、アドラーのことを「一生を費やして人間とその潜在能力を研究した偉大な心理学者」だと紹介している。
②スティーブン・コヴィーの『7つの習慣』でもアドラーの思想に近い内容が語られている。
幸せになるためのヒントが満載の本ですので、ぜひ、気になった方は読んでみてください!
嫌われる勇気
著者:岸見一郎、古賀史健
出版社:ダイヤモンド社
ページ数:296
発売日:2013/12/13
- “「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない――【対人関係の悩み、人生の悩みを100%消し去る〝勇気〟の対話篇】
- 世界的にはフロイト、ユングと並ぶ心理学界の三大巨匠とされながら、日本国内では無名に近い存在のアルフレッド・アドラー。
- 「トラウマ」の存在を否定したうえで、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言し、対人関係を改善していくための具体的な方策を提示していくアドラー心理学は、現代の日本にこそ必要な思想だと思われます。
- 本書では平易かつドラマチックにアドラーの教えを伝えるため、哲学者と青年の対話篇形式によってその思想を解き明かしていきます。
- 著者は日本におけるアドラー心理学の第一人者(日本アドラー心理学会顧問)で、アドラーの著作も多数翻訳している岸見一郎氏と、臨場感あふれるインタビュー原稿を得意とするライターの古賀史健氏。
- 対人関係に悩み、人生に悩むすべての人に贈る、「まったくあたらしい古典」です。
ONE PIECE感動名場面のDr.ヒルルクのように「まったく良い人生だった!!!!」と思える後悔のない生き方をしていきたいですね。
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最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。ではまた。
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