どうも、もりひろです。
有価証券報告書を見ていると必ず出てくる「セグメント情報」という言葉。
なんか聞いたことはあるけどよくわからないな〜、という方がほとんどではないでしょうか。
でも、セグメント情報は企業を理解するうえで役立つ情報が満載です。
セグメント情報について
セグメント情報とは
セグメント情報とは、企業の経済活動を業種別や地域別などに分解し、区分ごとの売上高や利益などを表示する情報のことです。

セグメント(segment)は英語で、部分・区分・階層などを意味します。
イメージがわかないですよね。
さっそくHONDAのセグメント情報を見てみましょう。
セグメント情報は有価証券報告書に記載されています。
第一部 企業情報 > 第5 経理の状況 > 1 連結財務諸表等 > 【注記】セグメント情報
連結財務諸表等の補足情報として、注記事項の中に記載されています。
日本・北米・欧州・アジア・その他の地域に区分しています。


世界で戦っているHONDA。地域別に売上などの情報が開示されています。
これを見ると、北米で強いことが分かります。
二輪事業・四輪事業・金融サービス事業・ライフクリエーション事業及びその他の事業に区分しています。


売上高では四輪事業の規模が大きいですが、営業利益では金融サービス事業が最も貢献しているのが面白いです。
営業利益率(営業利益÷売上高)は二輪14.3%・四輪2.5%・金融11.8%で、二輪の利益率が高くなっています。
なお、売上や費用だけでなく、資産もセグメント別に分けられています。
セグメント情報はなんで必要なのか?
今の時代、多角化や海外展開をする企業がほとんどです。
しかし、財務諸表は全てを合算した数字なので、企業グループ全体の経営実態が捉えにくい側面があります。
セグメント情報の肝は「事業単位の業績がわかる」ことです。
そして、事業別に見ていくと経営者と同じ視点で企業のことを理解できるようになります。

財務諸表だけでは足りない情報を補足してくれるのがセグメント情報です。
多角化した企業を分析する際には、事業別に見ることで初めて企業のリアルが掴めるようになります。
事業セグメントとマネジメント・アプローチ
少しだけ学問的な話をします。
セグメント情報の開示における企業の構成単位のことを事業セグメントといいます。
事業セグメントの分け方は「マネジメント・アプローチ」という方法に基づきます。
「マネジメント・アプローチ」とは、経営上の意思決定を行い、業績を評価するために、経営者が企業を事業の構成単位に分別した方法を基礎とする方法です。

マネジメント・アプローチを採用しているからこそ、セグメント情報をもとに事業別に見ていくと経営者と同じ視点で企業のことを理解できるわけです。
実例紹介
いくつかの企業のセグメント情報を見ていきます。
セブン&アイホールディングス
例えば、イトーヨーカ堂やヨークベニマルが「スーパーストア」、そごう・西武が「百貨店・専門店」という感じですね。
海外コンビニエンスストア事業が前年から大幅に増加している理由は、米石油精製大手マラソン・ペトロリアムのコンビニ事業「スピードウェイ」を買収したことによるものです。
高島屋


商業開発はテナントからの賃料収入が主な収益源で、比較的安定した収益源といえます。
ショッピングセンターデベロッパー「東神開発(株)」を筆頭に子会社16社関連会社9社で構成されています。
集客力のあるテナントをいかに誘致していくかが鍵になるでしょう。
ベネッセコーポレーション

ベネッセは、2022年2月に語学教育事業のベルリッツを売却しました。
継続的に赤字だった事業を売却したことで、今後、業績の回復が期待できるかもしれません。
さいごに
最後にセグメント情報のポイントをまとめます。
財務諸表を見るときは、セグメント情報にも目を向けてみてください。
第一部 企業情報 > 第5 経理の状況 > 1 連結財務諸表等 > 【注記】セグメント情報
最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。
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